2026.10.19
実績・事例

ハニカム清掃がHACCAP「手引書」に載るまで――InnoBEEtions の働きかけが国を動かした

食品売場の冷蔵ショーケースのハニカムは、構造ゆえに汚れが蓄積しやすく、また、見えにくい場所にあるからか、ハニカムの汚れによる衛生問題や省エネ課題課題が見過ごされてきました。
私たち InnoBEEtions は、この構造的な課題の解決に、いち早く取り組み、その実態を行政やメディアに情報提供を行ってきました。まだまだ小さな取り組みですが、地方行政から国レベルの衛生管理の仕組みにも波及する動きへとつながっています。なかでも、厚生労働省管理の元、一般社団法人全国スーパーマーケット協会が作成した「スーパーマーケットにおけるHACCP の考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」に、ハニカム清掃が明記されたことは、現場実態に基づく課題提起が、制度的な後押しになり得ることを示す事例です。

出典:飲食料品小売業における省エネルギー実施要領 農林水産省

ハニカムとは何か、なぜ見えにくいのか

食品スーパーやコンビニエンスストアの食品ショーケースには、空気を効率よく循環させるために、ハニカムが使われています。このハニカムは、埃・油分・食品由来の有機物当の汚れを長期間にわたって吸着・蓄積しやすい構造を持っています。

大阪産業技術研究所による第三者分析(令和2年7月30日 第020430号)では、使用中のハニカムからカビ菌・バクテリアの存在が確認されています。

また、当社のATPふき取り検査でも、使用中ハニカムから高いRLU値が測定されています。

この課題が長く見過ごされてきた主な理由は、ハニカムが設備内部の「見えない場所」に収まっており、通常の巡回点検では状態確認が難しい構造にあります。現場の清掃担当者の努力不足ではなく、従来のオペレーション設計では管理しにくかった構造的な問題です。

国はすでに「清掃を推奨」している

実は、国もすでに省エネの観点からショーケースのハニカムを含む定期清掃を推奨しています。ハニカムに目詰まりが生じると冷却効率が低下し、消費電力の増加につながる可能性があることも、設備メーカーの公表資料等で示されています。

当社の試算では、全国の飲食料品小売業においてハニカムを清潔に保った場合、年間約82.6万t-CO₂・約535.4億円の電力コスト削減ポテンシャルがあると算出されています。

(電力購入量35,691百万kWh×食品ショーケース比率50%×清掃による改善効果10%×排出係数0.463kg-CO₂/kWh、電力単価20円/kWhで換算した当社試算。個別店舗の効果を保証するものではありません)

こうした試算は、ハニカム清掃が個店の取り組みにとどまらず、日本全体の省エネ課題と接続していることを示す一つの根拠として、私たちは情報発信を続けてきました。

地方行政から国へ――課題提起が制度に届くまで

当社顧問・和田が公明党大阪府議の川岡氏にハニカム抗菌シート®を案内したことを機に、川岡氏が市議会で関連する質問を行い、大阪府保健所が事業者向けのチラシ配布や啓蒙シール制作に動いた経緯があります。
こうした地方行政での動きと並行しながら、課題提起は中央にも波及し、HACCPの手引書にハニカム清掃に関する内容が明記されるという結果につながりました。

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points)とは、食品の製造・販売における危害要因を分析し、重要な管理点を継続的に監視・記録する衛生管理の国際的な考え方です。2021年6月より、日本でもすべての食品事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務付けられています。その手引書という、現場の衛生管理の「基準」に位置する文書に、ハニカム清掃が取り上げられたことの意味は小さくありません。

「見えない課題」が制度に組み込まれることの意義

手引書への明記は、個々の現場担当者の意識や判断に委ねるのではなく、衛生管理の「仕組み」としてハニカム清掃を位置づけることにつながります。これは、清掃担当者の努力を否定するものではなく、その努力を制度的に支える枠組みが整いつつあることを意味します。

クール・ネット東京の調査では、回答17社中13社(76%)がハニカム清掃を実施していると回答しています。一方で、清掃頻度・方法・記録の有無については、事業者ごとにばらつきがある状況です。手引書への明記は、こうしたばらつきを「管理の仕組み化」へと向かわせる後押しになり得ます。

現場で今できること

制度の整備と並行して、現場レベルでも対応の選択肢は複数あります。

まず、これまで行えていなかった清掃を行うこと。定期的な店舗メンテナンス業務に、ハニカムの定期清掃を組み込むことで、ハニカムを清潔に保ちます。私たち、InnoBEETionsでは、ハニカム清掃に関するご相談を受け付けておりますので、是非、置き月にご相談ください。

清掃の実施に加えて、清掃後の状態を維持する部材の導入も一つの選択肢です。私たち InnoBEEtions のハニカム抗菌シート®(特許第7216416号、商標登録第6635033号)は、清掃後のハニカム本体に装着し、汚れの再付着を抑制することを目的とした製品です。現場実証では、設置後9〜18か月でシート側に汚れが蓄積する一方、ハニカム本体への汚れ付着が抑制されたことが確認されています。1年に一度、ハニカム抗菌シート®を交換するだけで、ハニカムを清潔に維持します。

今回のまとめと次のステップ

食品売場のハニカムという「見えにくい場所」の課題が、現場の実態調査・地方行政への働きかけ・国のHACCP手引書への明記、という経路をたどって制度的な文脈に位置づけられつつあります。

この流れは、誰かの責任を問うのではなく、構造的に見えにくかった課題を可視化し、現場と経営と制度をつなぐことで、衛生と省エネの両立に向けた選択肢を広げることを目指しています。

自社のハニカムの状態が気になった方は、まず設備の内部を点検することから始めてみてください。現状の確認方法や清掃・維持管理の具体的な手順については、次回以降の記事で詳しくお伝えする予定です。